まず極めるべきはスピード
私は、コミュニケーション能力はいたって平凡(場面によってはそれ以 下)でありながら、仕事の速さで信頼と評価を獲得してきた経歴の持ち主です。
独立前に勤務していた楽天株式会社には「成功のコンセプト」と呼ばれる5項目の行動 指針があり、それはそのまま社内での評価基準にもなっていました。私は5項目のうち4 項目はごく平均的な成績でしたが、スピードの項目だけはつねに満点でした。私が史上最 年少(当時)で日本最大級のショッピングモールである楽天市場「楽天スーパーSAL E」のプロデューサーに抜擢されたのも、仕事の速さが評価されたからでした。
仕事の速さが信頼関係の礎になる
独立してIT企業の社長という立場になってからも、仕事の速さは私の最大の武器に なっています。
たとえば私は、外注先であるフリーランスのデザイナーやプログラマから請求書が届い たら、その日のうちに支払いを済ませてしまいます。その速さが信頼関係の礎になること を知っているからです。
フリーランスが企業から仕事を請ける際、支払日がいつになるかは、企業側から一方的 に提示されることがほとんどです。「月末締め、翌月末払い」が多いようですが、いいか げんな会社になると、支払期日を確約しないまま外注を使うところもあります。だからフ リーランスの方の中には「支払いはいつになるのか、聞きたいけれど聞きにくい」「本当 はもっと早く支払ってほしい」などと思っている方が少なからずおられます。そんな中、 請求当日に振り込みがなされると、それだけでとてつもない安心感になり「大原さんの会社は信頼できる!」と思っていただけるのです。
スピード感はIT業界で大きなアドバンテージになる
私は、雑談をとおして相手と仲良くなるタイプのコミュニケーションは不得手です。だ から外注さんとも、付き合いの長い一部の方を除いては、そこまで親密なお付き合いをしているわけではありません。それでも「大原さんの依頼なら」と言って多少厳しい条件で も快く仕事を引き受けてもらえるのは、「仕事の速さによる信頼」が「コミュニケーションによる信頼」を上回っている証だと思います。
もちろん事務的な処理だけではなく、実務のスピードも速いと自負しています。たとえ ばWeb制作では、一般の制作会社が1カ月半はかかるボリュームを、私の会社では2〜 3週間で対応しています。このスピード感は、速さがモノを言うIT業界できわめて大きなアドバンテージになっています。
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