時短コミュニケーション

通常2カ月かかる大型企画を「わずか1週間」で実現

通常2カ月かかる大型企画を「わずか1週間」で実現

私は楽天時代、通常なら2カ月はかかる大規模web企画「熊本買って応援プロジェクト」をわずか1週間でリリースし、その功績から「楽天市場MVP:スピード部門賞」を受賞しました。

これは「頭出し連絡による脳の事前インプット」をはじめ、本記事で紹介しているさまざまなテクニックを総動員した成果です。

超絶スピードで企画を実現できたわけ

「熊本買って応援プロジェクト」は、2016年に発生した熊本地震の被災地を支援するための企画で、期間中に楽天市場で買い物をすると、1件につき 円分の資材が被災地に寄付されるというものでした。

通常、これだけの規模の企画を通すには2カ月ほどの準備期間が必要になるのですが、 このときは私が独断で企画書を書きあげ、三木谷社長と楽天市場の執行役員に直接メール を送ってプレゼンしたところ、すぐに「よし、やってみよう!」という話になりました。

直訴メールからリリースまで1週間という超絶スピードで事を運ぶことができたのは、 社長の「鶴の一声」のおかげではあるものの、私の時短テクも少なからず貢献したのではと自負しています。

まず、社長からゴーサインが出た時点では細かい企画内容まで決まっていなかったので、すぐさま直属の上司に「こんな方向で考えています」と「頭出し連絡」を行いまし た。その後も上司の決裁を仰ぐときは、つねにA案B案の「二案作戦」を展開し、その場で即決をもらいました。もちろんメールは「イエスかノーか」の二択で答えられる文面を心がけました。

こうした時短テクに加え、楽天が「見切り発車を歓迎する社風」だったこともプラスに作用しました。

時間が遅くなるリスクの方が深刻

良いアイディアを思いついても、すぐに動き出さない人や組織は、おそらく「もっと時間をかければ、もっと良いものができる」と思っているのでしょう。でも実際は、「とりあえずやってみよう」と見切り発車でスタートするのも、1〜2カ月かけてじっくり揉んでからスタートするのも、方向性やクオリティはそこまで変わらなかったりします。倍の時間をかけたからといって、クオリティが倍になるわけではないのです。

慎重派の人びとは、過去の成果を振り返って「時間をかけて練ったからこそ良いものができたのだ」と考えがちですが、その認識は正しくありません。良いものができたのは、時間をかけたからではなく、そもそものアイディアが良かったからです。そのアイディアなら、時間をかけずに短時間でチャチャッと仕上げたとしても、同じくらいのクオリティになっていたはずです。もしかしたら、早く仕上げた分だけ、さらに多くの収益を生んでいたかもしれません。

もちろん、時間をかければクオリティは「多少は」上がります。でも 点が点になったからといって、売上や効果はそこまで変わらないのではないでしょうか。

それよりも現代では、時間が遅くなるリスクの方がずっと深刻です。変化のスピードが速い時代には、1カ月かけて 点のものをつくるよりも、1週間で点のものをつくる方 が、はるかに大きな利益を生むのです。

 

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