PC活用術

デスクトップはつねに空にすべし! 脳の無意識スタミナ浪費を防ぐ

脳のスタミナを温存するにはデスクトップを整理する

1日を通して脳のコンディションを良好に保ち、スピーディに仕事を進めるためには、 脳が「決断」する回数をなるべく減らしてスタミナを温存する必要があります。その具体 策として、以前の記事では「通勤中のスマホをやめる」という方法をご紹介しましたが、「デスクトップを整理する」ことでも同様の効果を得られます。

いろいろな人と打ち合わせをしていると、スクリーンをつなぐタイミングで相手のデスクトップがちらりと見えることがあります。すると中には、デスクトップ一面をファイル が埋め尽くしているような人も散見されます。本人は「どこに何があるか把握できているのだから問題ない」くらいに思っているかもしれませんが、デスクトップ画面を見るたびに雑多な情報が飛び込んでくるというのは、脳にとっては相当なストレスです。一瞬でも ファイル名が目に入れば「そういえば、あの案件はどうなったかな」「そろそろあの件も 進めなければ」などと反射的に考えてしまうので、それだけで脳は疲弊し、仕事の効率も落ちてしまうでしょう。

知らず知らずのうちに脳のスタミナを浪費しないためにも、デスクトップに置くのは 「現在進行中の案件」だけと決めて、それ以外のデータは「過去の仕事フォルダ」や「保 留中の仕事フォルダ」にまとめて収納しておいてください。さらに進行中のデータについ ても、ファイルをそのまま置くのではなく、必ずフォルダに分類して収納する。これを守れば、デスクトップに並ぶアイコンは多くても2列以内におさまるはずです。

デスク周りも整頓しよう

デスクトップの整理ができたら、次はデスクまわりの整頓にも取り組みましょう。

フリーアドレスではない席固定のオフィスでは、自分のデスクの周辺に趣味のフィギュ アやら観葉植物やらをゴチャゴチャ並べている人をよく見かけますが、あれはよくありま せん。目に入るたびに脳が余計なことを考えるので疲れてしまいます。

仕事に必要ない趣味のアイテムは、ただちに撤去してください。1つか2つくらい残し たいと思うかもしれませんが、1つでも置くと何個でも置きたくなってしまうのが人の性 なので、最初から何も置かないのが一番です。

デスクまわりをスッキリと保つには「ペーパレス」を意識することも大事です。画面上 のデータよりも、慣れ親しんだ紙の方が読みやすく、安心感があるという意見も根強くありますが、紙には「散らかる」「整頓が面倒」「収納場所をとる」「どこに何があるか探し にくい」などのデメリットも多くあります。

だから何でもかんでもプリントアウトせず、可能な限りデータのままで取り扱うように してください。長期的にみればその方がはるかに時短になるし、モノ(紙)が増えること によるストレスもなくなります。

印刷することが会社のルールになっている場合もあるでしょうが、このところ官民ともにハンコの廃止や資料のペーパレス化がどんどん進んでいます。私の会社でも、契約書は すべてクラウドサインで処理しています。取引先の中には「従来どおり紙でやり取りした い」と思っている方もいるはずですが、最初に「どうしても請求書や契約書の郵送が必要ならおっしゃってください」と伝えると「だったらクラウドでいいよ」という流れになる ケースがほとんどです。あなたがもし、そうした選択ができる立場にいるのなら、この機 会にペーパレス化を提案してみてはいかがでしょうか。

ミニマリズムのすすめ

私がこのように身のまわりをシンプルに保つようになったのは、日本を代表するアートディレクタである佐藤可士和さんのドキュメンタリー番組を見たのがきっかけです。彼のオフィスには、とにかくモノがないのです。 白い壁、木材の床、シンプルなデザインのデスクと椅子、以上!  

そんなミニマリズムの極みといえる環境で仕事をするのは、「目から入ってくる視覚情報が、感性や感覚に影響を及ぼす」からだそうです。ペン立てに並ぶペンが1ミリで も乱れていると、創造性がそがれてしまうというのです。

そのお話に感銘を受け、私も少しずつ身のまわりから無駄なモノや、デコラティブな装飾を排除するようになりました。おかげで今の私のオフィスは、もちろん佐藤さんのオフィスには遠く及ばないものの、かなりシンプルで脳にもやさしい環境になっていると自 負しています。

 

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