集中力ケア

「スタンディングデスク」や「歩きながら思考法」を活用する

集中力を高めるには立って仕事をしよう

日本では、パソコンなどの作業はイスに座って行うのが一般的ですが、北欧やアメリカ では多くの企業が「立って仕事をする」ことを推奨しています。長時間座ったままで作業をしていると、血行不良や腰・背中の痛み、運動不足、集中力・生産性の低下といったさ まざまな弊害が生じるからです。

こうした問題を解消するために生まれたのが、立ったまま作業ができる「スタンディングデスク」です。といっても、勤務中ずっと立っているわけではなく、集中力や発想力を 要するクリエイティブな仕事はスタンディングデスクで行い、数値入力のようなコツコツ 系の作業は従来どおり座って行うというように、仕事の内容によって使い分けるのです。

そうすれば、おのずと立ったり座ったりを繰り返すことになるので、血の巡りがよくなって集中力が向上します。スタンディングデスクを使うと脳の興奮状態が長く続き、クリエ イティブな発想が出やすくなるという研究結果もあるそうです。

スタンディングデスクのメリット

さらにテキサスA&M大学が高校生を対象に行った研究によると、スタンディングデス クを利用した生徒は、普通のデスクで勉強した生徒にくらべて、認知テストの結果が7〜14%も向上したといいます。これはスタンディングデスクが脳の認知機能を向上させることを意味しています。

集中力アップのみならず脳機能の向上や眠気防止、健康増進など多くのメリットがある ということで、近年は日本企業も相次いでスタンディングデスクを導入しています。私の古巣である楽天でも、以前は普通の机しかありませんでしたが、二子玉川への移転を機に スタンディングデスクが採用されました。

実は私は、スタンディングデスクがない時代から「立って仕事をする」ことの効能に着目し、ロッカーやキャビネットを机代わりにして立ち仕事をしていました。すると、やは り血の巡りが全然違う。座っているときよりも前のめりで仕事に集中でき、闘争心や競争 心もわいてくるように感じていました。おまけに、立っていれば眠くなることも、ダラダラ作業をすることもなくなります。

そんなわけで、独立後もオフィスにスタンディングデスクを設置し、気合いを入れたいときは必ず立って仕事をするようにしています。

歩きながら思考法

スタンディングデスクにはさまざまな種類があり、机の高さを調整して立位と座位を切 り替えられる「上下昇降タイプ」は少々高額になりますが、高さ固定のシンプルなものであれば5000円〜1万円ほどで購入できます。スリムで場所を取らないタイプも多く売 られているので、テレワークが増えたという方は購入を検討してはどうでしょうか。ちな みに私のオフィスにあるスタンディングデスクは楽天市場で6980円で買ったものです。

設置場所がないといった事情でスタンディングデスクの導入が難しい場合は「歩きながら思考法」を試してみてください。これはその名のとおり「歩きながら考える」というワークスタイルです。アイディアに 煮詰まったときなどは、机に向ってウンウン唸っているよりも、デスクのまわりを歩きな がら案を練った方が、足裏からの刺激で脳が活性化するので、よいアイディアが生まれやすくなるのです。

スタンフォード大学の研究者が、学生に「屋内で座る」「屋外で座る」「屋内でランニン グマシンに乗る」「屋外を歩く」という4パターンで同じ作業をさせたところ、ランニン グマシンに乗っているときと歩いているときは、座っている場合よりも創造性が60%アップしたという研究結果も報告されています。

また、かのスティーブ・ジョブズも散歩を日課にしていて、歩きながらさまざまな問題 解決のヒントを思いついたといいます。彼がデザインしたアップル本社がドーナツ型なの も、社員が歩かざるを得ない状況を作り出すためでした。その流れからか、近年シリコンバレーでは「歩きながら会議」も流行しているそうです。

 

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